2010年度 第11回勉強会

日米同盟のこれからのあり方

松本恭典氏(防衛省 防衛政策局 日米防衛協力課 先任部員)


 2011年2月9,10日に行った春合宿にて、3人の講師をお招きした。2月9日は、松本恭典様に「日米同盟のこれかたのあり方」についてご講演いただいた。2004年以降の日本周辺の安全保障環境をみると、中国の動きが大きな問題になっている。このような状況下において、日米安全保障のあり方を見直す必要性があるのだと松本氏は言う。


 また、安全保障がグローバル化した今日、一国で対応することは困難な問題が多発しており、各国の協力が一層重要になっている。そのため、同盟国との協力・国際社会における多層的な安全保障協力などのアプローチをしなくてはならないのだそうだ。


 日米同盟については、思いやり予算をはじめ、日本が多額の負担を担っていることが問題になっているが、松本氏は日本とアメリカは“非双務的相互依存”とう特別な関係だからだと答えた。その後は”ヘッジ・アンド・シェイプ“等、専門的な概念を紹介しつつ、中国の影響力の大きさを例に挙げ、同盟国・友好国との緊密な連携や多国間の安全保障協力の推進は、安全保障環境の一層の安定化に不可欠であるとした。


 松本氏は、日米韓、日米豪、そしてインド、ASEANやNATOを巻き込んだ防衛協力の重要性を訴えた。安全保障の前線ならではの視点や現在の取り組みを知ることができ、大変貴重な機会となった。