2015年度 第5回フィールドワーク

@カナダ大使館


 11月27日、港区赤坂にあるカナダ大使館の見学プログラムに参加しました。第2回学習テーマである「若者の政治参画と選挙制度」を踏まえ、政治・外交の最前線である大使館の実情を捉えること、並びに政治をより身近に感じることを目的とし、今回のFWを実施しました。

カナダ大使館の見学ツアー


 カナダ大使館に到着し、ツアーガイドをしてくださる職員さんをお待ちしていると、早速カナダ人の職員さんが気さくに話しかけてくださり、サークル員の緊張もほぐれました。

 担当職員さんが到着し、いよいよツアースタートです。事前にカナダについて学習したことを元に、職員さんからの質問も交え、カナダについて説明していただきました。まず、カナダの公用語についてお話してもらい、カナダの国章、国旗へと続いていきました。カナダの国章は、イングランド、スコットランド、アイルランド、フランスの4カ国の国章をデザインに組み込んでおり、その下に、カナダの象徴であるサトウカエデが描かれています。これは、カナダが元々フランスとイギリスの植民地であり、その後、幾度かの戦争を経て、現在の形になったことを表しています。各国の国章をデザインにすることは、カナダの州の旗にも共通しており、その州が元はどこの国のものだったのかを表しているそうです。

 

大使館内のデザイン


 次は、大使館内のデザインについて紹介していただきました。カナダ大使館庁舎ビルは日系カナダ人である、レイモンド・モリヤマ氏によってデザインされ、カナダ文化と日本文化とが融合した素晴らしいものとなっていました。

 日本庭園を抜けると、カナダの国旗を表した噴水が、そして、その先にはカナダの先住民の芸術作品である「イヌクシュック」が置かれていました。日本文化を象徴する庭園と、カナダを象徴するアート作品が展示されており、まさに日本とカナダの友好が感じられるものでした。さらに、大使館の最上階の設計は圧巻でした。カナダ大使館の最上階は、フロアが三角形の形状になっており、これは目の前に広がる赤坂御所を真上から覗かないようにするための設計だそうです。御所にいらっしゃる皇族の方々を覗かないようにするという配慮に、日本文化とカナダ文化とを融合させた、レイモンド・モリヤマ氏の粋な心を感じてなりませんでした。

大使館内の施設


 そして、いよいよ大使館内の施設です。エレベーターで大使館地下2階におりると、カナダの伝統的アートが展示され、その奥には、高松宮記念ギャラリー、オスカー・ピーターソン・シアター、E・H・ノーマン図書館がありました。残念ながら、シアターは改装中であり、その内部を見ることはできませんでしたが、図書館に関しては、様々なメディアを通したカナダ情報や、日本とカナダの両国についての情報、並びにカナダ留学の情報を得ることができることが分かりました。

所感


 今回、日加関係の最前線であるカナダ大使館を訪問することで、私は改めて両国の友好が深いことを実感しました。学生である私たちは、「政治」というものをどこか遠い世界のものに捉えがちですが、実際に大使館を訪問したことにより、「政治」というものをより身近に感じ取ることができました。また、日本と友好な関係を築いている国について学び、その繋がりの強さを確認することは、現在までの日本の国際活動を実感する優れた契機ともなりました。「政治参画」というと、何から始めて良いものかと迷ってしまうことがありますが、まずは、「日本」という国の姿を見つめてみることが大切であると考えさせられました。

 

文責:石井玲一朗