第4回リフレクション

少子高齢化と現代日本


 11月13日、Web会議サービスであるZoomを用いて、「少子化を食い止めるために、結婚数を増やす策を考えてください」というお題のもとでリフレクションを行いました。

お題


 主体を選び、以下の4つの結婚しない理由のうちの1つを改善し、少子化を食い止める又は合計特殊出生率を上げてください。その際、具体性を持った主体と客体を設定することが条件です。

 

例)客体:名前、年齢、出身地、趣味、仕事、将来の夢、今までの経歴等

  主体:地方自治体、国、民間企業

  理由:①適当な相手に巡り合わない

     ②結婚の必要性を感じない、自分の自由を失いたくない

     ③結婚資金が足りない

     ④今はまだ結婚をせずに、仕事に打ち込みたい

各班の発表


【A班(民間企業×①)】 

 A班は企業の立場から「適当な相手にめぐり合わない」という問題への解決策を提案した。全国に300万人いる学生は1%程度しか婚活サービスを使っていないというデータがある。そこで学生向けに婚活コンサルタントとマッチングアプリのハイブリットを提供しようと考えた。このサービスを通じてセミナーや個別相談を通じて学んだスキルを実際に活かす場を学生に提供することができる。メリットとして、①婚活コンサルタント側にとっては新しい顧客層の拡大、婚活市場の活性化、②マッチングアプリ側には利用者が増える、大手企業との提携で自社ブランドの強化、③学生にはめぐり合う機会、人脈が広がるなどが挙げられる。これは単に事業拡大にとどまらず、恋愛に対する姿勢の変革につながり、結婚数の増加にもつながると考えられる。

 

【B班(企業×①)】

 B班は、輸送業に従事する婚姻適齢期の男女が適当な相手に巡り合えないという問題に着目した。そこで、婚姻数低下の対策として、個々の体力差に関わらず働きやすい環境の整備を提案する。まず、日本人の約28%が仕事をきっかけに結婚に至る(第15回出生同行基本調査)ことから、労働環境の改善が婚姻数増加につながると仮定した。輸送業界では未婚率が男女ともに25%以上(総務省就業構造基本調査)と高い。我々はその要因にプライベートを圧迫する長時間労働と女性労働者が少なく職場での出会いが限られていることがあると考察した。従来、ドライバーの労働はワンオペレーションが基本で、体力的負担から男性優位であった。そこで我々は、物流需要を予測するAIを利用しつつ労働を削減・効率化し、女性を意識して働き手の負担軽減を図ることで、女性労働者を増やすことを目指す。これにより、男性と女性がペアを組んで仕事を分担する新たな輸送業の可能性を示したい。ドライバーは転勤が少ない職種である上、前述の改革で仕事と育児の両立をフォローする仕組みを整備したことで、男女の交流が増えて良い相手に巡り合えれば、結婚につながりやすい環境になっており、結婚数の増加が見込める。

所感


 「少子化を食い止めるために結婚数を増やす」というお題については様々な意見があると思いますが、日本における少子化と結婚数の関係について調べる貴重な経験を提供してくれた企画の皆にまずは感謝したいです。また、国や地方自治体が少子化対策として婚活やお見合いの場を補助しているという発表を聞いて驚きました。民間企業が結婚を支援する場合、その企業にとってどのようなメリットがあるのかを考えるのに苦戦した班が多かったようですが、それぞれの班が個性的な発表をしていたので聞いていて楽しかったです。生き方の多様化が進み、結婚についての考えや子どもを授かることへの意見が変わっていくなかで、自分がどのように生きたいのか、また今の社会ではどように生きることになるのかを考えることができました。

 

文責:各班班長(2年)