2017年度 公開講演会

こころで働く

~労働のときめきをあなたに~

そうだ!働いて幸せになろう!こうして人生に奇跡は起きる

特別講師 晴香葉子氏


  Front Runnerは、「学生と社会をつなぐ」という当団体のミッションを達成するため、さらにより多くの方々にFront Runnerの活動を知っていただくため、年に一度団体外部の方々と共に日本のこれからについて考える機会として、公開講演会を開催しております。 

  今年度は、11月10日、日吉キャンパスにて「こころで働く~労働のときめきをあなたに~ そうだ!働いて幸せになろう!こうして人生に奇跡は起きる」というテーマの下、作家・心理学者・心理コンサルタントとしてご活躍されている晴香葉子氏をお招きしました。

  心理学という角度から「はたらく」ことの充実感や幸福感、将来のキャリア設計について深慮する機会となりました。生き生きとお話をされる晴香氏の姿は、参加した学生の心に強く響いたことと思います。

講師略歴


東京都出身。文学修士(コミュニケーション学)。学芸員資格取得。博士後期課程在籍中。早稲田大学オープンカレッジ心理学講座講師。企業での就労経験を経て心理学の道へ。研究を続けながら一人一人の幸せにつながり、広がる、心理学について、様々な角度から情報を提供。執筆、講演、監修などの活動を続けている。所属学会:日本心理学会、日本社会心理学会、日本産業ストレス学会他。日本心理学諸学会連合心理学検定1級(偏差値73獲得)。メディアでの心理解説実績、著書多数。海外でも4冊出版。テレビ朝日『ニュースEX・auヘッドライン』にて悩み相談記事連載中(2017年12月14日現在)。新刊『人生には、こうして奇跡が起きる』(青春出版社)10月14日発売。

趣旨


 現在の日本では、第三次産業を中心に様々な職種で、多くの人々が厳しい感情労働(※)に従事しています。しかし、労働の捉え方次第では、自分の感情を上手にコントロールして意欲的に働くことにより、幸せを掴むことができるのではないでしょうか。 

 そこで、仕事における心理学及びコミュニケーション学に精通されている晴香葉子氏をお招きし、充実感のある働き方やその実現方法についてお話を伺いました。

 

(※)感情労働…自分の感情を抑制して賃金を得る労働を指す。労働には他に「肉体労働」や「頭脳労働」がある。

晴香葉子氏からのメッセージ


 ご参加の皆さん、熱心に耳を傾けてくださって、ご感想やご質問も活発に多数頂戴し、講演を担当した私自身が、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。夏から時間をかけてご準備くださったとのことで、図書館にも設置いただいたコーナーやユニークな動画の配信なども含めて、お一人お一人がそれぞれの役割を担い、協力して創り上げてこられた事柄の数々に、感動しきりの一日でした。高い志と和気あいあいとした楽しい雰囲気にふれ、日本の未来への期待感にも包まれました。慶応義塾大学公認団体Front Runner の皆さん、ご参加くださった学生の皆さん、貴重な機会を本当にありがとうございました。

参加したサークル員の声


 今回は、講演会の内容をお伝えすることができません。代わりに、参加したサークル員の声を以下に掲載します。

①理工学部2年   和田 真治


 日本は経済的には発展していながら、幸福度が極めて低いという現状があります。このことは、生活の中でストレスを感じる人が多いということを示していると考えられています。このように、私たちは一般的にストレスを「悪」だと思い込んでいます。しかし、実は適度なストレスを感じることにより、集中力が高まる効果や生き甲斐を感じる効果など、プラスな効果も期待できます。ストレスをポジティブに捉えることにより、やりがいのある人生を送る。このように、私は晴香氏に素晴らしい生き方を送る手がかりを教えていただきました。 

 

 また、これからの人生を左右する就職に関しても、多くのアドバイスを頂きました。私は、将来就きたい業界が既に決まっています。しかし、就職活動をする上で、他の業界をどのように選択するか悩んでいました。そのため、今回晴香氏のお話を伺うことで、新たな切り口から自分がやりたいことを見つめ直すことができ、今まで意識していなかった業界を意識するきっかけとなりました。 

 

 近年、AIの発展が著しく、近い未来に多くの職業がAIによって淘汰されてしまうのではないかという議論もあります。これからの世の中の変化はめまぐるしく、何が起こるかを予想するのは困難です。このような時代において、少しでも幸せな生活を送るためには、「自分自身をしっかりと分析して自分自身と向き合うこと」が大切だと感じました。私も、学生のうちにしっかりと自分と向き合っていきたいと思います。 

②経済学部1年 野屋 隼輝


 自らの感情を抑制するストレスや人間関係に起因するストレス、SNSの普及に伴う情報過多によるストレス。第三次産業が中心産業となり、情報化時代の真っ只中を生きる現代において、私たちは多種多様なストレスに苛まれ、その存在を「悪」であると認識しています。しかし、限界を超えない範囲の適度なストレスは、私たち自身の更なる成長の足掛かりになるとプラスに捉えることも可能であると気付きました。 

 

 また、公開講演会のテーマが「働く幸せ」ということで、新卒就職活動とその後の仕事を通して幸せを掴むヒントについても、実例を交えてお話をして頂きました。野村総研とオックスフォード大学の教授による試算では、AIやロボットの台頭により、10~20年後の日本で約49%の雇用が失われると推測されています。しかし、このような状況下においても、私たち人間だけが持つ「自分らしさ」を前面に推し出すことにより、生き生きとした日々を送ることができるのではないかと感じています。

 

 特に晴香氏の「働くことは幸せへの近道である。」という言葉が印象に残りました。今回の公開講演会は、これから社会に出ていく私たちの未来を明るく照らすものであったと感じています。私自身、自分の未来への期待に胸を膨らませています。

最後に


 今回ご講演頂きました晴香葉子様、そして参加して下さった塾生の皆様、誠に有難うございました。 参加者の方々からは「今日学んだことを就活に活かしたい」「公開講演会を頻繁に開催してほしい」などの感想を頂き、大好評の公開講演会となりました。来年度も公開講演会を開催する予定ですので、またのご来場をお待ちしております。

 

文責 理工学部2年 和田真治